中東とアジア 2018 12 22

 トランプ大統領が、シリアから、
アメリカ軍を撤退させるというニュースがありました。
 アメリカの中東政策については、
歴史的に考えれば、昔は、
それほど中東には関心がなかったのです。
 しかし、アメリカが石油を大量に消費して、
原油を大量に輸入するようになってからは、
中東に深く関与するようになったのです。
たとえば、湾岸戦争やイラク戦争は、石油が絡んでいるのです。
 しかし、シェール革命によって、
アメリカが、原油と天然ガスの生産において、
世界最大の国家になる可能性が出てきたので、
中東政策は、大きく変わらざるを得ないのです。
アメリカが中東に関与する理由がなくなったのです。
 アメリカが中東に介入したのは、
原油の確保が大きな理由であり、人道支援でありません。
 国際政治とは、冷たいものであり、
純粋に国益の追求となるのです。
 もちろん、「戦友」の処遇を考える必要があります。
「イスラム国」戦争において、
アメリカとともに戦ったクルド人のことです。
 さて、シリアの次は、ペルシャ湾が俎上に上るかもしれません。
アメリカは、ペルシャ湾に、第5艦隊を駐留させていますが、
駐留させる理由を納税者にどう説明するのか。
 アメリカは、戦力投射能力を中東とアジアの二正面から、
アジアに集中させるかもしれません。
 中東に介入しても利益を生みませんが、
アジアは、21世紀において大発展するのです。
アメリカから見れば、「金鉱」になります。
 これを企業経営で考えれば、
利益を生まない部門を閉鎖して、
利益を生む部門を拡大させるようなものでしょう。
「イギリスは永遠の友人も持たないし、永遠の敵も持たない。
イギリスが持つのは、永遠の利益だけだ」
(イギリスの首相 第三代パーマストン子爵)

ペルシャ湾 2012 11 4
 現在、ペルシャ湾は、バーレーンに司令部を置く、
アメリカ第5艦隊(空母を含む)が守っていますが、
この体制が、いつまで維持できるか。
 アメリカは、いつの間にか、原油輸入の多様化を進め、
中東への依存度は、かなり下がっています。
 やがて、アメリカは、中東なしでも、
原油も天然ガスも輸入先に困らないということになるでしょう。
 さらに、今、アメリカは、
シェールガスやシェールオイルで盛り上がっています。
つまり、アメリカの中東への関心は下がっていくでしょう。
 そうなると、問題は、アメリカの納税者の動向です。
「巨額の税金を使って、アメリカ第5艦隊を駐留させているが、
これは、税金の無駄遣いではないか」という声が出てくるかもしれません。
 いったい、どこの国が、
ペルシャ湾の原油や天然ガスを最も利用しているのか。
つまり、最も恩恵を受けている国が、ペルシャ湾を守るべきではないかとなるでしょう。
その国とは、日本です。
 相変わらず、日本の政治家は、天下泰平の日々を過ごしているでしょうが、
本当に、のんびりしていていいのか。
 親米派の政治家は、「日米軍事同盟があるから大丈夫だ」と言うでしょうが、
はたして、それでアメリカの納税者を納得させることができるのか。
 世界は、刻々と変わりつつあるのです。
にもかかわらず、日本の政治家の頭は、終戦直後のままです。





























































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